機械部品の性能は、穴の精度によって大きく左右されます。ドリル加工だけでは達成できない、高い内径の寸法精度や平滑な表面粗さを実現するのが中ぐり(なかぐり、ボーリング)加工です。この加工技術は、穴を正確に拡大・仕上げることで、軸受けや流体通路など、重要な機能を持つ内径の品質を保証します。本記事では、旋盤による中ぐり加工の基本からメリット、そして貴社の具体的な製品事例までを解説します。

丸物・旋盤加工.COMでは、旋盤加工の加工の種類を製品事例と共に詳しく解説しておりますので、ご一読ください。

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中ぐりとは?実現できること

旋盤加工における中ぐりとは、すでにドリルなどで開けられた穴の内側を、中ぐりバイトと呼ばれる専用工具を用いて切削し、内径を正確に拡大・仕上げる加工方法です。ワーク(被削材)を回転させながら、中ぐりバイトを穴に差し込み、軸方向に送ることで内面を削ります。

中ぐり加工が実現できるのは、高い穴の精度と品質です。ドリルで開けた穴の壁面は粗く、寸法誤差も大きくなりがちですが、中ぐりを行うことで、狙った内径の寸法公差を達成できるほか、穴の軸方向の真直度(L寸法精度)を高め、内面の表面粗さを平滑に仕上げることができます。これにより、ベアリングや軸がスムーズに嵌合する内径や、流体が安定して流れる高精度の通路など、製品の機能性と信頼性を直接的に高めることができます。この加工は、貫通穴にも止まり穴にも適用でき、特に穴の直径に対して奥行き(L寸法)が長い場合にその効果を発揮します。

中ぐりのメリット

1. ドリル加工では出せない高い寸法精度と表面粗さの実現

ドリル加工は能率的ですが、ドリルのわずかな振動やブレにより、開けられた穴は寸法がばらつきやすく、内面の粗さも目立ちます。一方、中ぐり加工では、大径のバイトを使用し、切り込み量を精密に制御しながら削り進めるため、ドリル加工後の穴径を、ミクロン単位の厳格な公差で仕上げることが可能です。さらに、切削条件を調整することで、内面の表面粗さ(肌理の細かさ)を格段に向上させることができ、摩擦抵抗の低減や気密性の確保に貢献します。

2. 穴の真直度と内径の同軸度の保証

中ぐり加工は、ワークが回転している主軸の中心線に対して、バイトを軸方向に精密に送るため、穴の真直度(穴の軸がどれだけまっすぐか)を非常に高く保つことができます。また、ワークの外径加工と中ぐり加工を同じチャッキング(固定)状態で行うことにより、外径と内径の中心軸が一致する同軸度を高いレベルで保証します。この高い精度は、複数の部品が正確に組み合わされる必要があるポンプやシリンダー部品などにおいて、性能の安定と長寿命化に不可欠です。

3. 特殊な穴形状への柔軟な対応

中ぐりバイトは、工具の先端形状と送りのプログラムを変えるだけで、段付き穴やテーパー穴、球面状の穴など、複雑な内径形状を自在に作り出すことができます。これは、特殊なシールやバルブ部品を組み込む際の受け座として、穴の内側に特別な機能を持たせる必要がある場合に、設計の自由度を大きく高めます。また、難削材に対しても、材質特性に合わせた専用バイトを使用することで、安定して高品質な穴加工が可能です。

当社の中ぐりの加工事例

インバー製カバー部品

貴社の事例ページに掲載されている「インバー製カバー」のような部品は、中ぐり加工の真価が発揮される典型例です。インバーは熱膨張率が極めて低い特性を持つため、精密光学機器や計測機器の部品として使用されますが、その分、加工時に熱が発生すると変形しやすくなる難削材でもあります。このカバーの内径には、相手部品と正確に嵌合するための高い寸法精度と、熱による変形を防ぐための低歪み加工が求められます。中ぐり加工を用いることで、ドリルで開けた穴を精密に仕上げ、厳しい内径公差と真直度を安定して実現し、製品の高性能化に貢献しています。

その他にも、中ぐり加工は、油圧シリンダーのシリンダーチューブ内面、ポンプのハウジングの軸受け部、精密な計測機器の調整機構部品など、高い精度で回転運動や流体制御を行う部品の内径仕上げに広く活用されています。

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当社の旋盤加工の特徴

新潟県燕三条地域に拠点を置く株式会社カドクラが運営する「丸物・旋盤加工.COM」は、長年培ってきた旋盤加工の技術とノウハウを活かし、お客様の難しいご要望にも応えてまいります。当社の精密中ぐり加工を含む旋盤加工は、以下の点で特に強みを持っています。

  • 難削材の中ぐり実績とノウハウ: インバー、チタン、高硬度ステンレス鋼など、中ぐり加工が困難な難削材に対して、豊富な加工実績を有しています。材質の特性を見極め、最適なバイトの選定、切削条件、そして振動対策を徹底することで、長穴や深穴に対しても狙い通りの内径精度と表面粗さを実現いたします。

  • 高精度な穴加工を保証する一貫生産体制: 外径削り、端面削り、そして中ぐり加工に至るまで、すべての工程を当社の複合旋盤でワークを外すことなく一貫して行います。これにより、チャッキングのやり直しによる同軸度のズレを防ぎ、外径と内径の関係性に極めて高い精度が求められる部品の品質を保証いたします。

  • 寸法公差と品質の厳格な管理: 当社は、お客様の求める厳しい寸法公差を達成するために、三次元測定器などを用いた厳格な検査体制を敷いております。特に中ぐり後の内径公差や真円度について、安定した品質を保証し、お客様の組み立て工程での不具合ゼロに貢献いたします。

中ぐりを含めた精密な丸物部品の加工でお困りの際は、ぜひ「丸物・旋盤加工.COM」へご相談ください。お客様の設計意図を正確に形にし、製品の機能向上に貢献いたします。

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