機械部品の機能や信頼性を確保する上で、軸や円筒状の部品に施される「溝」は欠かせない要素です。例えば、液漏れを防ぐOリング溝、部品の位置を固定するスナップリング溝など、一見単純に見える溝加工ですが、その精度が製品全体の性能を大きく左右します。

本コラムでは、旋盤加工の基礎知識として、溝削りがどのような目的で、どのように実現されているのかを解説し、加工のメリット、具体的な製品事例をご紹介します

丸物・旋盤加工.COMでは、旋盤加工の加工の種類を製品事例と共に詳しく解説しておりますので、ご一読ください。

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①溝削りとは?実現できること

旋盤加工における溝削りは、回転する円筒状のワーク(被削材)の外周や内周、または端面に、一定の幅と深さを持つ溝を形成する加工方法です。専用の切削工具である「溝入れバイト」や「突っ切りバイト」を用いて、材料に対して主に垂直方向に切り込むことで溝を作り出します。

溝削りの目的は多岐にわたり、単に製品の形状を形成するだけでなく、組み合わされる部品同士の機能的な役割を持たせるために不可欠です。

具体的には、以下のような目的で溝が使われます。

  • Oリング溝・パッキン溝: 油圧機器や空圧機器などで、液体や気体の漏れを防ぐためのシール材(Oリングやパッキン)を装着する場所を設けます。
  • スナップリング溝(C形止め輪溝): 軸や穴に部品を固定したり、位置決めをしたりするためのスナップリング(止め輪)をはめ込むための溝です。
  • キー溝: 回転軸と歯車やプーリーなどの部品を確実に結合させ、トルク(ねじり力)を伝達するために、軸方向に平行な溝を設けます。
  • 逃がし溝・アンダーカット: ねじ加工や他の加工を行う際に、加工終端の工具の逃げ場として設ける溝です。

このように、溝削りは単なる切削ではなく、製品が持つべき高い機能性や信頼性を実現するために欠かせない重要な基礎技術です。

②溝削りのメリット

★部品の機能と信頼性を高める高いシール性能

旋盤による溝削りは、Oリングやパッキンといったシール材を正確に収めるための座面を確保します。溝の底面や側面の寸法精度、そして面粗度(表面の滑らかさ)を厳密に管理することで、シール材が適切に圧縮され、液体や気体の漏れを確実に防ぐことが可能になります。特に、油圧・空圧機器や流体制御システムなど、高い機密性や耐圧性が求められる製品において、この高精度な溝加工は製品の機能と信頼性の生命線となります。

★組み立て効率と位置決めを最適化する高精度な位置管理

旋盤は、ワーク(被削材)の中心を基準に回転させるため、軸方向(Z軸)に対する溝の位置決めを非常に高い精度で行えます。この位置決め精度は、部品同士を嵌合(かんごう)させたり、スナップリングなどで固定したりする際に、設計通りの組み立て公差を維持するために不可欠です。精度の高い溝を設けることで、組み立て時の部品のズレやガタつきを防ぎ、スムーズかつ確実な組み付けを実現し、最終製品の品質向上と組み立て工程の効率化に大きく貢献します。

★多様な設計要求に対応する汎用性の高い形状対応力

溝削り加工では、「溝入れバイト」や「突っ切りバイト」といった専用工具を使用することで、四角い溝だけでなく、V溝、U溝など、様々な断面形状の溝を作り出すことができます。工具の刃先形状や切削パスを変更するだけで、シール材の形状や固定部品の仕様に合わせたカスタマイズが容易に行えます。これにより、多岐にわたるお客様の特殊な設計要求や、用途に応じた最適な機能を持つ部品製造に柔軟に対応することが可能です。

③溝削りの加工事例

継ぎ手SUS316L

継ぎ手 SUS316L

こちらの製品は蓄電池の部品として使われる継手です。
耐食性に優れたSUS316Lで製造されており、内外径にシール用の溝がはいっております。
電磁バレルで、表面仕上げを行うことで、表面の意匠性を高めています。

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④丸物・旋盤加工.COMの旋盤加工の特徴

株式会社カドクラが運営する「丸物・旋盤加工.COM」では、新潟県燕市の高い技術力を背景に、φ8〜φ90のNC自動旋盤加工に特化した専門的なサービスを提供しています。正面削りにおいては、長年蓄積された技術ノウハウを活かし、お客様の多様な要求に応える高品質な加工を実現しています。

幅広い材料への対応力

当社の強みの一つは、多様な材料への対応力です。一般的な鉄やステンレスはもちろん、アルミニウム、チタン、さらにはインバーやインコネルといった難削材・特殊鋼の正面削り加工にも対応しています。これらの材料特性を深く理解し、それぞれに最適化された切削条件でのアプローチにより、高品質な仕上げ面を安定して提供しています。

24時間生産体制による高い生産性

NC自動旋盤を活用した24時間生産体制も当社の大きな特徴です。正面削りを含む複合加工を一台の機械で連続して行うことで、セッティング時間の短縮と品質の安定化を両立しています。特に量産部品においては、この生産体制により短納期での対応を実現し、自動車・二輪・トラック業界をはじめとした幅広い業界からの信頼を獲得しています。

VE提案による技術パートナーシップ

技術提案力も当社の重要な強みです。お客様から図面をいただいた段階で、正面削りの加工方法や工程順序について最適化の提案を行い、コストダウンと品質向上を同時に実現するVE(Value Engineering)提案を積極的に行っています。単なる加工代行ではなく、製品設計段階からの技術パートナーとして、お客様の製品開発を支援する体制を整えています。

徹底した品質管理体制

品質管理体制についても、正面削りの特性を踏まえた独自の検査方法を確立しています。表面粗さ測定や平面度測定はもちろん、材料特性に応じた検査項目の設定により、出荷前の品質保証を徹底しています。これにより、お客様の後工程での不具合を未然に防ぎ、安心してご利用いただける加工サービスを提供しています。

⑤溝削りは、丸物・旋盤加工.COMにお任せください

本コラムでは、溝削りの基礎について解説しました。

【φ8~φ90のNC自動旋盤加工に専門特化した確かな技術力】
株式会社カドクラが運営する「丸物・旋盤加工.COM」は、新潟県燕三条の地で培った金属加工技術を基盤に、φ8~φ90のサイズ範囲におけるNC自動旋盤加工に専門特化しています。端面削りをはじめとする各種旋盤加工において、長年の経験と実績に裏打ちされた確かな技術力で、お客様の多様なニーズにお応えいたします。

溝削りについては、ぜひ当社にご相談ください。

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